山口啓太 福冨旅史
新型コロナウイルスの無料PCR検査事業をめぐり、補助金約5億3千万円をだまし取ろうとしたとして、警視庁は7日、会社役員の上嶋(かみじま)大輔容疑者(40)=川崎市多摩区=ら男6人を詐欺未遂容疑で逮捕し、発表した。警視庁は6人の認否を明らかにしていない。
捜査2課によると、6人は共謀し、「東京都PCR等検査無料化事業」の補助金をだまし取ろうと考え、2022年9月中旬ごろ、医療法人「華風会」が実施した22年8月分の検査の積算額を約5億3千万円とする虚偽の実績報告書などを東京都に提出し、補助金を交付させようとした疑いがある。
事業は、PCR検査などを希望者が無料で受けられるようにするもので、同種の事業は21年12月~23年5月に全国で実施された。国の地方創生臨時交付金を財源に、都道府県が実務を担当。事前に登録した事業者から報告された検査件数などをもとに、検査経費などを補助する仕組みだった。22年10月時点で全国に約1万3千の無料検査所が置かれ、国の補助は予算ベースで総額約6200億円だった。
事業を巡っては、全国で検査数の水増しなどの不正が表面化。朝日新聞の6月20日時点の取材では、東京や大阪など少なくとも5都府県が総額約227億円の補助金交付を取り消していたことが判明していた。(山口啓太、福冨旅史)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル